PACオーケストラ 第127回定期演奏会

2021年10月24日

川瀬賢太郎 PACオーケストラ 第127回定期演奏会


ラフマニノフ

ピアノ協奏曲2番 清水和音

交響曲2番


ピアノ協奏曲は、第二楽章の夢のような世界が素晴らしかった。冒頭の管楽器とのやり取りから夢幻の世界へ。ちょっと拍が明確でない崩すような弾き方がここでは良くあっていた。第一、第三楽章も良いのだが、テンポが遅めなこともありその崩すような弾き方がちょっと気になることもあった。

アンコールの英雄ポロネーズはスケールが大きな楽しい演奏だった。ところで、このホール、ちょっと残響が長いのが気になり出した。薄いベールがかかったように聞こえる。ここは慣れるしかないのか。オペラの聞き取りはどうなのだろう。ドライな劇場に耳が慣れすぎているのかな。


交響曲2番は素晴らしかった!特に第二、第三楽章。鮮烈なリズムの第二楽章、決して甘くならず、でも甘美な第三楽章。全体のバランス、構成、オーケストラの鳴り、第三楽章の最後の一音の止め方などなど、とても良い演奏だった。もともとの曲が濃ゆいので、それをねっとりと演奏されるともう沢山となるが、川瀬は雄大さ、厚い響き、憂愁や甘さを失わず、でもスッキリとした味わいでよかった。川瀬の才能、特にオーケストラを伸び伸び演奏させる力を堪能できた。また聴きたい指揮者。