高校生の意欲に関する調査

自己申告成績分布

財団法人日本青少年研究所というところがやった高校生の意識調査に目を通してみた。日本、アメリカ、中国、韓国で比較しているが、中々面白かったので、幾つかの項目についてちょっと書いてみる。生データはこちら


問3 あなたの学校は?
日本と韓国は三割が私立と答えて、アメリカと中国は公立と答えた人のみ。日本と韓国、アメリカにおける私立高校の割合を知らないのだが、この調査のサンプリング対象には偏りがある可能性が高い。


問5 部活動に参加している?(部活動を三種に分け、複数回答可)
米国は126%、つまり一人二つ以上入っている人がたくさんいると思われる。へえ。逆に部活動していない人は26.2%。他方、日本では66.2%が参加。帰宅部は35.8%。


問6 部活動は楽しいか
否定的回答は米国で2%のみ。日本では13.8%も。日本人は楽しくなくても部活してる人が結構いるのか。


問7 あなたのクラスでの成績は?
定性的な言葉で選ばせているので単純な判断は出来ないだろうが(特に「中の上」と「中の下」がよくわからない)、数値をグラフ化してみた(縦軸は百分率)。

アメリカでは中程度から低い学力の人は正規分布に近く見え、正確に自己判断しているのかなと思う。一方で、高学力の人は自分を実際より高く評価しているか。中国もちょっと似た傾向はあるが、特に中の上あるいは中の下と思っている人が実際より多い。日本と韓国では、成績が中程度以上の人は実際よりも良いと勘違いし、中程度以下の人は実際より悪いと卑下する人が多いと解釈できるか。多数を占めるはずの中程度の成績と答えた人の割合が少ない。あるいは自分の成績の善し悪しがわからなくなっている?


問10 社会では学歴よりも実力がものを言う
アメリカでは41%がそう思っているが、日本では80%の高校生がそう思うと回答した。逆のような気がするので、ちょっと驚き。


問13 社会を良くする努力をしたい
アメリカ中国は80%弱が肯定したのに、日本と韓国では70%弱が肯定したにとどまる。


問13(続き) 今やっている勉強に打ち込みたい
アメリカと中国では9割弱が肯定、日本と韓国では6割前後にとどまる。


問16 他人とは出来るだけ妥協して、もめ事は起こさない方が良い
アメリカと韓国で9割が肯定、日本は76%にとどまる。中国が66%というのもなんだか。


問16(続き) 一生懸命頑張っても必ず報われるとはいえない
日本と韓国は約7割がそうだと回答したのにアメリカでは4割りを切っている。実社会の状況を反映した回答?


問21 偉くなるとどうなる
選択肢が色々合って複数回答可なのだが、そのなかで「責任が重くなる」と78.9%(日)、67.6%(米)、64.7%(中)、46.9%(韓)の人が思い、「自分の時間がなくなる」と46.7%(日)、17.3%(米)、21.6%(中)、13.6%(韓)の人が思ったというのが目立っている。日本だけ特異だ。日本で「偉い」人というと何かの組織のトップでもイメージするのか?


問22 偉くなりたいか
新聞報道で取り上げられていた項目。66%(米)、86%(中)、72%(韓)にたいし、日本は44%のみが偉くなりたいと回答。これは上の問21と同様、「偉い」人といったとき頭に浮かんでいる人間が他の国と違うんじゃないかと思う。